中・四国農政局むらづくり審査会における令和元年度農林水産祭にて、東かがわ市「五名活性化協議会」が、むらづくり部門農林水産大臣賞を受賞しました。
木村京子さん・小北逸郎さん・木村薫さん
【農林水産大臣賞受賞団体 五名活性化協議会】
(1)むらづくりの背景・動機
過疎化・高齢化が進行するふるさと・五名に危機感を共有していた地区住民が、平成 17 年の五名小学校廃校を契機に、小学校の跡地利用と地域の活性化を目指す協議会(当時 五名活性化対策委員会)を立ち上げた。
ふるさと祭り等の交流イベント開催により、地区内外の交流人口拡大を図るほか、地域の農産物などを販売する直売所の運営など、雇用を生み収入を得る方法も確立し、持続可能な地域活動に取り組む。
今年度にはカフェスペースを併設した新たな直売所のオープンを控えており、さらなる地域コミュニティの深化が見込まれる。
(2)むらづくりの内容
① 生産面における取組状況
女性部が中心となり産直施設「五名ふるさとの家」を運営。五名で獲れた米、きゅうり、アスパラなどの農産物や加工品、家庭料理などの販売はもとより、地区内外の交流の場や地域の憩いの場としても機能している。
里山の保全と鳥獣被害対策を図るため、間伐材はシイタケ原木・薪・炭に、捕獲したイノシシは食肉に加工して販売。薪とイノシシ肉はふるさと納税の返礼品として好評を得ており、雇用創出にもつながっている。
五名の名所や飲食店、体験コンテンツを網羅した「五名マップ」を作成。食べる・見る・楽しむをコンセプトに地域の魅力を発信。
② 生活改善の取組状況
・ 移住希望者には事前に体験宿泊や地域行事への参加を促すなど、地域全体で支援した結果、これまでに 20 人以上の移住が実現した。
地区内外の交流を図るため、五名三大祭りとして「五名ふるさとまつり」、「山びこ文化祭」、「ふるさとの家記念イベント&いのしし祭り」を毎年開催。
空き家となっていた古民家を農家民宿「五名やまびこの宿」として整備したところ、帰省者や移住者のほか、大学の研究室やスポーツ少年団などの団体客、さらには外国人観光客も利用するなど、五名の滞在拠点となっている。
総務省及び全国過疎地域自立促進連盟において、平成27年度過疎地域自立活性化優良事例として、東かがわ市「五名活性化協議会」が全国過疎地域自立促進連盟会長賞を受賞しました。
授賞式にて 小北逸郎会長
「全国過疎問題シンポジウム2015inかがわ」が、平成27年10月8日(木)・9日(金)の2日間で開催されました。初日の全体会は、高松市のアルファあなぶきホールで、全国8団体の優良事例表彰式などが行われ、本市からは五名活性化協議会が表彰されました。翌日の分科会は、本市を含め県内1市3町(小豆島町、直島町、琴平町)で、優良事例発表やパネルディスカッションなどが行われ、本市交流プラザでは五名活性化協議会を含め4団体の発表がありました。それぞれの団体の活動内容は非常に興味深いもので、地域協働による地域活性化の大切さを改めて感じることのできる2日間でした。
出典 : 東かがわ市ホームページ
総務省及び全国過疎地域自立促進連盟において、平成27年度過疎地域自立活性化優良事例として、総務大臣賞4団体、全国過疎地域自立促進連盟会長賞4団体が決定され、本県からは東かがわ市の「五名活性化協議会」が全国過疎地域自立促進連盟会長賞を受賞することが決定しました。 本県の団体が当該優良表事例表彰を受賞するのは、22年ぶり2事例目です。
受賞団体:五名活性化協議会(東かがわ市)
テ ー マ :「五名に根差した五名愛に満ちた五名活性化」
受賞内容:全国過疎地域自立促進連盟会長賞
事例概要: 五名地区は、今なお隣近所で互いに助け合う風土が残っており、少子・高齢化による人口減少についても住民間で危機感を共有していた。そのような中、小学校が廃校となったことを受け、地区を更に盛り上げようと、地域の有志が中心となり、五名活性化協議会を設立し、地域の活性化に取り組んでいる。
毎年お盆時期に開催される「五名ふるさとまつり」は、里帰りした人と地域の人とが交流を深める場になっている。 また、廃校となった小学校の文化祭を協議会が引き継ぎ、「山びこコンサート」として開催することで、地区内外との交流人口の拡大につながっている。 更に、「里山活性化プロジェクト」では、里山の整備の際に伐採した木材の利用・販売や、駆除した猪をジビエとして販売することで収入を得る手法を確立し、地域活動を持続可能なものとするなど、いつまでも住み続ける環境をつくるには何が必要なのかを地域住民みんなで考えながら、地域の課題解決に取り組んでいる。
出典 : 香川県ホームページ
緑の中で優しさを。雪に負けない根性を。五名小学校の教訓を受け継ぎ地域の活力に!!
「五名活性化協議会」とは
五名に根差した、五名愛に満ちた活性化
平成25年度に、閉校となった旧五名小学校の跡地利用について考える協議会として発足して以来、地区住民の皆様から様々な要望をいただきながら定例会を開催しています。
五名地区は昔から自然と人とが共生する地と言われており、住民の暮らしぶりは人情に厚く、自然の恵みに感謝する心や、人に喜んでもらうことで得る喜び、そしてなにより自然の厳しさについて良く理解をされています。ゆえに地区の隅々にまで人の目が行き届く、古き良き日本の原風景が残る美しい里山です。少子高齢化・人口減少の課題に直面するも、地区の結束力、持ち前の明るさや行動力で出来ることを模索しながらふる里の活性化に取り組んでいます。
前身は...
小学校の閉校
旧五名ふるさとの家
平成17年の五名小学校閉校を契機に、小学校の跡地利用と地域の活性化を目指す「五名活性化対策委員会(当時)」を発足。
平成18年全国地域づくり推進協議会会長賞
授賞式にて 小北かよ子さん・木村京子さん
特産品の自然薯(じねんじょ)の栽培・研究について県下でいち早く取り組んだのも五名地区と言われており、冬の収穫シーズンには進物や贈答品として喜ばれています。
ところが近年、いのししの獣害に悩まされるようになってきた五名地区。(ならば、畑を荒らすいのししをおいしくいただこう)と発想を転化させ、地元猟友会と里山整備団体とのタイアップにより、ジビエ肉の精肉事業が始まり、食肉処理業・食肉販売業の認証を取得することで、ジビエ料理を安心して提供できるようになりました。
早速、昭和初期頃に建築された旧五名郵便舎が改装され、女性が中心となって切り盛りする産直「旧 五名ふるさとの家」や、五名のいのしし肉を使った食材が人気の「ふるさと茶屋・杉菜」の運営を開始。
住民たち自らが講師をつとめるワークショップ「五名で遊ぼう」や、「ふるさと夏祭り・山びこコンサート・自然薯いのしし祭り」など の "五名3大祭り" も積極的に展開。
平成18年には、「旧五名ふるさとの家」の活動が、全国地域づくり推進協議会会長賞を授賞しました。
旧(ふるさと茶屋 杉菜)
いのししカレーうどん
旧(五名ふるさとの家)
五名三大祭
ふるさと夏祭り
五名三大祭
自然薯いのしし祭り
五名三大祭
旧(山びこコンサートin五名)
活性化協議会の設立は...
小学校跡地利用
五名へは、しだいに地域の魅力を感じとり、こだわりものづくり職人や多くの芸術家などが移り住んでくれるようになり、五名在住の青年層と共に結成された「五名山村倶楽部」も一体となって、地域活性化について様々な取り組みを行うなか、五名在住若手画家による「五名マップ」の作成や、住民自らが古民家を再生させた「農家民宿」、移住者によるクラフトビール醸造所など、これまで存在しなかった新たな事業者も登場しています。
「里山活性化プロジェクト」や、「小学校跡地 新施設プロジェクト」では、閉校となった小学校跡地に「産直カフェ・五名ふるさとの家」をリニューアルオープンさせ、ジビエ料理の提供や、薪・炭の製造販売、建築木材の提案など、地域全体の活性化に持続性を持たせた取り組みを行っています。
平成25年度から続く定例会
閉校となった旧五名小学校
先進地への視察研修
建築家との共同設計・施工
地元材による「地産・地建」
新施設建物の建築風景
産直カフェ「五名ふるさとの家」
五名産ジビエ料理
薪ステーション・野外学習広場
五名地区女性部
五名の良さを掘り起こし、女性の力で魅力ある場所へと活動している五名地区女性部。喜んでもらえることがなにより嬉しいという女性たちの間では、いつも笑い声が絶えません。(ふるさとの家)の運営やお祭りのサポート、お年寄りを元気にする助け合い組織(おしゃべりサロン)、お芝居(やよい一座)など五名地区全体をいきいきと魅力ある場所にする活動に精力的に取り組んでいます。五名の活性化には底抜けに明るくパワフルな女性力が不可欠です。
五名山村倶楽部(青年部)
地域づくりを担う青年層で結成されたクラブ。平成26年度より小学校跡地利用について考える事業をきっかけに、自分たちに何ができるかをテーマとした定例会やワークショップなどを企画、実践。草刈り、田植え、お花見など、五名を楽しむ事で、新たな出会いを得ながら地域の活性化を考えています。メンバー構成は、五名で育ち五名に住み続けている人、五名に移住してきた人、五名で生業している人、五名が気になる人。
自然薯研究会
いのしし肉販売
「行政機関との連携」
東かがわ市
香川大学 域学連携事業
東かがわ市地域おこし協力隊
東讃農業改良普及センター
五名小学校跡地利用では、できるだけ多くの方が利活用出来る施設の実現に向け、地元の特産品を活かした産直・カフェ・体験型ワークショップ等の運営に向けたプロジェクトを企画し、自治会や各種部会に所属する住民らによる先進地への視察研修のほか、「香川大学・域学連携事業」、「地域おこし協力隊」、「香川県・東讃農業改良普及センター」をはじめとする行政機関との連携を行ってきました。
平成28年12月には、新施設の設計事業者を選定する「公募型プロポーザル」の実施を東かがわ市の主導にて行うなど、官民一体となった取り組みを活発に展開しています。
香川大学学生さん達による
「五名ええとこ ! ! 感謝祭」
「東讃農業改良普及センター」指導
彼岸花とメッシュによる獣害対策
「東讃農業改良普及センター」指導
香川本鷹 さぬき讃ベジタブル認定